今日は会えそうにない。
大学の試験も落ちた・・・。

せっかく誕生日なのにごめんな。。。

そう言ったら彼女はめちゃ落ち込んでいた。

夜の7時か8時くらいだったかな。
電話をかけた。

「今日はごめんな」
「でも誕生日プレゼント送ったから。届いてる?」

「届いてないよ」

「ちゃんと送ったのに!もう一回ちゃんとポスト見てみて」


ガラガラと開いた玄関の前にお花とプレゼントを持った自分が立っていた。
「誕生日おめでとう!!」

ビックリして悲鳴のような大声を上げる彼女。
当時短大の寮に住んでいたため、声を聞いた人がいっぱい集まってみんながお祝いの拍手してくれた。


もうそれは顔もグシャグシャっていうくらいの泣き顔をしてたな、彼女。

「受験は??」

「ごめん、実は受かってん。ビックリさせたくて・・・。」

しばらく声にならないくらいの涙声で話し続ける彼女。
そりゃそうだ。

関西のいるはずの自分が遠く離れた四国の松山の自分の目の前にいる。
しかも誕生日。

その時に送ったプレゼントは今では恥ずかしいと思うくらいの物だった。
安いリングだった。
なんとか石が付いている程度で、当時の自分からしたら大そうなものやったけど・・・値段が1万円くらい。


それをクシャクシャの笑顔で受取ってくれて、とんでもなく喜んでくれる彼女。
その姿がやけに愛おしくて、その場でつぶれるんじゃないかってくらい体を抱きしめた記憶がある。




・・・それから10年以上の月日が経った今日11月29日。
今、隣にその彼女はいない。

ふと思い出してしてしまった。

昨夜、久しぶりにYouTubeをひらいて、jujuさんの曲を聞いてみた。
PVを見ると一つのストーリーになっていて・・・
そんなことも今まで気づかずに見ていたんですけど。

そしたらなぜかふとその彼女が思い浮かんで。
さらによくよく考えたら今日が誕生日やったことを思い出した。

こういうこともあるんやね。
何も気にかけてなかった数年間なのに、ふと思い出すなんて。
精神的にまいっている証拠かな。。。



その彼女に数年ぶりにメールをした。
昨夜の直感でメールしろっていう直感。

「元気してた?」

そんな返信から、よく聞くと彼女も最近山崎まさよしの曲を聴いて昔を思い出し・・・。
こっちが元気してるのかなって思っていたらしい。

「結婚した?いまは幸せ?まだ大阪?」
絶え間なく続く質問を受ける。

その質問の意図を感じながら返信する。

今は結婚してなくとも、大切な人がそばにいるなら自分の心のつかえがとれる・・・。

自分の感じていた意図が彼女の答えと一致した。

彼女は数年前に結婚して今は2歳6カ月の男の子の子供がいるという。
幸せそうでよかった。
幸せにしてくれる人に出会ってよかった。

自分の素直な嬉しい気持ちだった。

でも、なぜか切なかった。
なぜか目から水滴が流れ落ちる自分がいた。
付き合ってもないのにフラれた気分なのかな。

「来月誕生日だね、おめでとう。”またね”は言わない。元気でね。」

最後のメールがそれだった。


お互いが大人になって、成長して。
二人が成長したらまた再会できたらいいねと別れた日がついこの間のような気がするくらいです。

この時期にふと思い出すくらいのお互いいい関係だったってことかもね。
まだまだ自分は自身を誇れるくらい成長していません。

街中でいずれ出会うことがあるかもしれへんけど、
今の自分にはまだ再会するにはちょっと早いね。


Happy Birthday!!