池袋のクリスマス
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今日はサンシャインがキレイに見えた

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24日の出掛ける前にブログを書いてまた書いている。

どうしてもどうしても残したくて。


24日のブログに書いたように発送の為に池袋の業者まで持ち込んだ。
クリスマスイヴということもあって人がめちゃ多い。
そして今日はいつも以上に寒かった。
仕事を済ませて家に帰ろうと。
寒かったから少し厚着をし直してから遊びにでも行こうと思った。
寒さの中での帰り道、ずっと音楽を聴いていた。
家について携帯を開いたら不在着信が。
 遊びに行く友達からかな??
そう思って着信を見ると”公衆電話”そして留守電マークが残っている。
着信は10分くらい前。
公衆電話とか気持ち悪いなーとか思いながらそのメッセージを聞いてみる。
聞き覚えのある声…父からの電話。
もうしばらく会っていない。
東京に来てからは盆と正月は親孝行と思って戻っていた実家にも帰っていない。
そう思っている中、留守電を聞いた。

12月24日21時21分
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おい、元気か?

最近声聞いてないから…
最後に(電話)しようと思って。

げんきでやれよ。

がんばれよ

なっ?!

(無言)

これで最後の電話になると思うから。

すまんの。

がんばれよ
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聞いたことのないような弱々しい声。
今までにそんな姿を見たことないくらい弱っている声。
声しかわからないけど声がおかしい。
なぜか留守電を聞いてから背筋がゾーッとした。
そしてしばらくドキドキが止まらなかった。
すぐに電話できなかった。
とりあえずメッセージを残したままキッチンに向かう。
普段は手につけないテキーラをコップに注いで飲んだ。
なぜ飲もうと思ったのか分からない。
でも、洋画で一気にバーボンを飲んでいる光景が出てきそうなくらいだった。
まだドキドキしていた。

父の携帯に電話をしてみた。
 「現在使われておりません…」
ビックリしてさらにドキドキした。
気を許したら震えそうだった。
母の携帯に電話してみた。
・・・出ない。
実家に電話してみる。
・・・出ない。
兄の携帯に電話してみる。
・・・3コール、4コール
長く感じた。
「はい。どうした?」
父の留守電のことを伝えた。
兄の様子が何かおかしい。
その時、母からキャッチが来た。
父の留守電のことを伝えると。
しばらく母は無言になり…。
事情を説明してくれた。

父は家を出ていったらしい。
しかもけっこう前に。
だからどこで何をしているかわからないと。
どうやら原因は父らしいが、そんなことはどうでもよかった。
今は父の安否が気になる。
今まで直接電話なんて絶対してこなかった父。
しかも公衆電話から。
今まで見せたことのないような声で。

そしてその母は手が動かないときがあるという。
どうも母は病気らしい。
最後に「正月は?」と聞かれた。
ごめん忙しくて帰れそうにない。
嘘をついた。
仕事で帰れるくらいの売上げの余裕と帰っていることで費やす時間がないから。
必死に仕事している姿を見せたくなかった。

どんな理由があっても産んでくれた父と母は変わらない。
だって血が繋がってるんだもん。
夫婦は他人でも、親子は他人にはなれない。

自分が小さかった頃。
野球が好きだった父とキャッチボールした。
長距離ドライバーをしていた為に朝早くから仕事に行っていた。
夜もおかしな時間に帰ってきた。
数日間家を空けることもあった。
でも、ずっと働いていた。
自営業がうまくいかなくなってからも、ずっと働いていた。
とりあえず自分が学校を卒業するまではひたすら働いていた。

でも多くはしゃべらない父だった。
昔に警察に補導されたことがあって、しかも夜遅くて。
母が迎えに来てくれて家で父が起きて待っていた。
でも何も言わなかった。いつもそう。

タバコもお酒もとことんいくが、ギャンブルはしない人だった。
見たこともないし、今まで聞いたこともない。
年に一度の宝くじを楽しそうに買うくらいだった。

小さいころ、足が速かった自分が運動会で活躍した姿を嬉しそうに見ていた。
結局野球は選ばなかったけど、他の球技で国体やインターハイに出ているときには嬉しそうに他県まで見に来ていた。
そのときなんて、張り切って皆を載せてドライバーまでしたらしい。

家を出てから、毎年盆と正月に帰っていたときには誰よりも嬉しそうだった。
彼女を連れて行った日には嬉しそうに絡んでいた。
しょうもないギャグで彼女を笑わせようとしたり。
そして帰った時はいつも大好きな肉料理ばかりだった。
実家に帰る前にいつも父が「肉を用意しとけ」と母に言っていたらしい。

鼻水とまんない・・・(笑)
泣ける2ちゃんねるで有名な「ありがとう」の曲が聞こえてきそう(笑)。

父の留守電のことを言っても、母は気にしてなさそうだった。
飲んでるんでしょ、といった感じ。
兄もそうだった。
でもおかしいと自分の中で感じた。
家族で血が繋がっている人は自分ひとり。
だからわかるってわけじゃないけどそんな感覚。

なぜあの時にいつも聞かないのに音楽を聴いていたのだろう。
いつも以上に寒かったから?
なぜもう10分早く帰らなかったのだろう。
そしたら電話に出れたのに。
なぜ?なんで??

まだ親孝行してないのに。
お嫁さんも見せてないのに。
孫も抱かせてあげたいのに。
家族でもう一回旅行行きたいのに。
またみんなで山賊にいきたいね。
そろそろ勝てると思うよ…腕相撲。
帰った時は一緒にお酒飲んでるけど、まだ一回も乾杯してないよ。
”ありがとう”って言ったことないよ。
なんで電話の最後に謝ったの?
 すまん・・・って。
しかも一方的に(怒)!!
勝手に留守電に入れて一方的に喋りやがって。
俺にも謝らせてくれよな。
せめて俺に”ありがとう”って言わせてくれよな。


何かのバチが当たっているのかな。
そうだとしたら神様はどれだけのツケを払わせようとしているのか。


今でも残る不在の呼出時間…14秒



↓【ありがとう/KOKIA】↓です